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 公益社団法人 比企青年会議所
2018年度 理事長所信

第三十八代理事長 矢島 央喜

「ボクらのまち」の未来のために

人を想い、まちを想う、心つながる比企の創造



【はじめに】

地域の社会構造は刻々と変化し、地域社会を構成する「家」の在り方も変わった。単独世帯が増加し、社会は個人化へと向かっていると感じる。個人化が進む中、ネットワークインフラは整備され、いつでも、どこでも、誰とでもつながることができるようになった。ただ、人と人との心が通う「つながり」は年々薄れてきていることは皆が感じているのではないか。人と深くつながるのは面倒なこと、手間がかかることであり、広く浅く当たり障りなく生きることが現代社会を生き抜くひとつの処世術になっているのであろう。

故郷(ふるさと)とよべるまち」をつくるという私たちのビジョンがある。私たちのいう「ふるさと」とは、生まれ育った場所という区分だけで考えるのではなく、自分自身の心の拠りどころとして、その地域を主観的に捉え、帰属意識が生まれる場所を「故郷」としている。ただの「まち」が「私のまち」となることである。まちは一人では成立しない。困ったときに手を差し伸べてくれるのは「人」なのである。困難が目の前に立ちはだかった時、必要なのは仲間だ。共に助け合い思いやる心は、日本人が本来持つ「和」の精神である。

人間関係が希薄な時代だからこそ、私たちは人と人とが心通う「つながり」をもてるまちづくりに挑戦する。まずは私たちがつながりにいこうではないか。

【つながる比企へ】

 私たち比企青年会議所のメンバーの多くは、この地域で事業を営み、地域の皆様のおかげをもって商売をさせていただいている。三方よし(売り手よし 買い手よし 世間よし)という言葉が江戸時代からあるように私たちは、自らの利益追求だけではなく、従業員・顧客・仕入れ先・地域社会への貢献を大事にしてきた。私たちの経済活動は、まちをつくるということに通じている。そして、それは青年会議所の理念にもつながる所がある。私たちが集まり、まちのためにと動き出せば、まちを動かすことができるのではないだろうか。

私たちは、近年、比企地域の行政、団体と連携し、まちづくり事業をすすめてきた。比企青年会議所だけで、地域をつなげる事業を構築するのではなく、行政、各地域の団体と連携し事業展開をしていくことにより、点と点の「つながり」は、線となり、重なり合うことで、立体的な「つながり」となってきた。その結果、これまで実現できないような規模の事業まで行えるように成長した。しかし、「連携」はまだ道半ばである。比企地域という広域で活動する私たちこそが、一市七町一村をつなげるために、一歩踏み出しリーダーシップをとらなければならない。比企地域の九市町村は「お隣同士のまち」ではない。九つ揃って「私たちのまち」なのだ。

 

【心つながる子どもたちへ】

 人間関係の希薄化は、大人だけの問題ではなく、青少年、家族、親子の関係まで及んでいる。「親はなくとも子は育つ」というが、それは地域の大人がしっかりとその土壌をつくってきたからである。それがなければ、子どもは勝手には育たない。日常の挨拶やルールを守る、うそをつかない、といった当たり前のことができなくなりつつある現代において、それを親だけの問題、家庭だけの問題とするのではなく、私たち地域の問題として受け止めなければならない。子どもは、私たちの未来でもある。一方的に教えられ、受け身になる子どもではなく、探求心を持ち、喜びや感動を比企地域の仲間と共に感じてもらいたい。自ら率先して前へ踏み出し、学び行動できる子どもとなり成長してほしい。仲間と共有した感動は、必ず心に刻まれるだろう。その記憶が、子どもと地域をつなぎ続ける。

比企青年会議所は、青少年育成事業に取り組んできた歴史があり自負がある。青少年の未来を想い「継続」してきた事業は確実に地域に根付きつつある。比企地域の子どもたちをつなぎ、世代を超えてつながることにより、子どもも大人も成長していく。子どもの未来は無限大だ。

 

【人はつながり成長する】

 地域の問題を解決するには、ただ闇雲に動くだけではいけない。この地域で活動する私たちメンバーが先頭に立ち、問題を解決するための根拠ある知識を身につけることが必要である。そして、行政や比企地域に住まう方々とも学びを共有していきたい。そうすることにより、問題解決への道が開けるであろう。

青年会議所は、全国そして世界とのネットワークがある。そこには様々なステージがあり、多くの学びを得る機会がある。ぜひその学びの場、出会いの場に自ら一歩踏み出してもらいたい。そこでのつながりは自分自身の視野を広げ、自己成長へとつながると確信している。

また、私たちは青年会議所の一員である以前に社会の一員である。ここで得た学びを、青年会議所内だけではなく、家庭や社会においても、しっかりと活かしていくことを忘れてはいけない。

 

【つながり続ける比企JC】

明るい豊かな社会の創造、そして実現のために37年間、比企の地でその想いを築き上げてきた先輩諸兄がいる。主権を回復する以前に国際組織への加盟を果たした、日本青年会議所が国づくりの先駆けならば、比企青年会議所(比企JC)は「比企」というまちをつくる先駆けとして常に前を向き行動し運動展開をし続けてきた。2014年には、公益社団法人格に移行し、社会の利益の増進に寄与する団体としてより重要な役割を担っていることを常に意識し活動しなければいけない。 

また、37年間という歴史の積み重ねは、比企地域に「JC」という存在感を示しているが、まだ十分に浸透していない側面がある。私たちのJCの活動、運動を、地域の方にしっかりと発信し、理解、共感していただくことは、比企JCの価値を高めることと同時に、「比企」というまちのブランドを高めていくことになるであろう。2015年に5カ年計画「連携」「継続」「強化」をビジョンに掲げ、3年目の折り返し地点となる今年、検証をしっかりと行い40周年に向け邁進していく。

 

【想いをつなげるために】

 明るい豊かな社会の実現のため、運動展開をしていくのは「人」である。そこに対する想いがあっても、一人の力では運動を広めることはできない。運動を広めるためには、同じ想いでつながった仲間を増やしていく必要がある。そのためには、一人ひとりがJAYCEEとして情熱と誇りをもち、相手に想いを伝え続けなければならない。同じ想いを持った仲間が集まれば大きな意思となり、組織は「強化」され、比企JCの運動展開は加速し、明るい豊かな社会が近づくだろう。

自分の殻から一歩踏み出すと、そこには仲間がいた。小さな歩みでも、仲間と進めば大きな前進となった。すぐに結果が出なくとも、仲間が仲間を想いつながり、それが連鎖していけばこのまちは絶対により豊かに明るくなる。一人ではない。私がいる。そして比企青年会議所のメンバーがいる。愚直に歩みつづけた先達の覚悟と想いがある。

誰かではない、私たちが動くのだ。「ボクらのまち」だ。皆が想えば、心つながる比企となる。